預金との相殺もある?!銀行系カードローンと消費者金融の違いを比較

違いを比較

『銀行のカードローンと消費者金融は何が違うの?』

金融系のサイトを運営していると、こんな質問を良く頂きます。この質問に応えるサイトは多数ありますが、どのサイトも古い情報ばかりで役に立たなくなっているため、最新の情報を踏まえて実際のところを整理してみたいと思います。

銀行系のカードローンと消費者金融(いわゆるノンバンク)の違いに回答する前に、ネットの情報が古くなってしまった背景を確認しておきましょう。



銀行が消費者金融化している?

昨年末(2016年12月)にリリースされた次のニュースが発端となり、この半年間で銀行カードローンが大きく変わりつつあります

【銀行のカードローン、金融庁が実態調査 過剰融資を懸念】
2010年に施行した改正貸金業法で消費者金融会社の貸出総額に制限がかかったため、消費者金融で借金を重ねる「多重債務者」はピーク時の5%まで減少。一方、貸し出し規制のない銀行によるカードローンなどが増加
http://www.nikkei.com/article/DGXLASFS13H2T_T11C16A2EE8000/

このニュースの意味を理解するために、まずは次のことを理解しておきましょう。


銀行カードローンと消費者金融の違い
その1

銀行と消費者金融では異なる法律の下に融資業務が行われています。

  • 銀行・・・銀行法の下に業務が規定されている
  • 消費者金融・・・貸金業法の下に業務が規定されている

2010年に施工された貸金業法では、消費者金融は「利用者の年収の3分の1を超える貸し出し」が原則禁止されました。

総量規制
出展:金融庁 事業者向けカシキンQ&A http://www.fsa.go.jp/policy/kashikin/qa.pdf

これが総量規制と呼ばれるルールで、全ての消費者金融から借り入れの合計が年収の3分の1までと定めることで過剰な貸し出しや多重債務を抑制することが目的となっています。

しかし総量規制は貸金業法で定められた規制であるため銀行はこの規定に従う必要がありません。このことが要因の一つとなり、2015年には銀行のカードローンの貸付残高が消費者金融の貸付残高を抜いたのです。

【銀行のカードローン残高急増 規制対象外、金融庁調査へ】
貸付残高は15年3月末に約4・6兆円と、消費者金融など(約4・5兆円)を抜いた。16年3月末は約5・1兆円と、約4・4兆円の消費者金融などとの差を広げている。
http://www.asahi.com/articles/ASJDM5F84JDMULFA01J.html

このように社会問題化しつつあることを恐れたのか、全銀協(社団法人全国銀行協会)は次のような「申し合わせ」を発表しました。

【銀行による消費者向け貸付けに係る申し合わせ】
  • ...例えば、改正貸金 業法上、自社で50万円超または他社借入を含めた総額で100万円超の貸出審査には年収証明書が必要とされていることにも留意する。...
  • ... 例えば、個人の 年収に対する借入額の比率を1/3以内に制限する総量規制の効果として、 多重債務の発生が一定程度に抑制されている状況等を踏まえ、銀行カードローンにおいても、個人の年収に対する借入額の比率を意識した代弁率のコントロール等を行うべく信用保証会社と審査方針等を協議するよう努める。...

https://www.zenginkyo.or.jp/fileadmin/res/news/news290336.pdf


銀行カードローンと消費者金融の違い
その2

【融資限度額】
消費者金融は総量規制の対象であるため年収の3分の1を超える貸し出しはできない。

一方の銀行は総量規制の対象外だが、昨今の銀行カードローンの過剰融資の懸念を踏まえた全銀協の申し合わせを基に、大手銀行が独自の融資抑制ルール(※)を設けつつあり、地方銀行や信用金庫などはそれに追随する流れにある。
※ みずほ銀行は融資限度額を、従来の「年収の1/2まで」から「年収の1/3まで」に変更され消費者金融と同じになった。

参考:大手3銀行、カードローン自主規制強化 融資上限引き下げも
http://www.sankeibiz.jp/business/news/170428/bse1704280500002-n1.htm

提出書類の違いも

収入証明書

消費者金融が総量規制を守るためには貸し出しをする前に利用者の収入を把握しないといけません。そのため利用者の収入を把握するために、50万円を超える融資については「収入を証明する書類の提出」が必須となっています。

一方の銀行は法律上は総量規制の対象外であるため、200~300万円ぐらいまでの融資については所得証明書はなしでも原則借り入れができました(もちろん貸し倒れを防ぐためにそれ以下の借入金額であっても審査状況によって所得証明書の提出が必要になる場合もあります)。

しかしメガバンクを筆頭に見直しが進められています

【カードローン、大手行が対策へ 50万円超なら収入確認】
三井住友銀行はこれまで、収入証明書なしで300万円まで貸していた。4月から順次、証明書なしの場合は50万円を上限として、超える場合は証明書の提出を求めるようにする。

三菱東京UFJ銀行は200万円まで貸しているが、50万円超の場合は証明書の提出を求める方向で検討を始めた。みずほ銀行も200万円まで貸しているが、上限の引き下げを検討している。
http://www.asahi.com/articles/ASK4V41HYK4VULFA00N.html


銀行カードローンと消費者金融の違い
その3

【収入証明書の提出が必要な金額】
消費者金融は50万円までは原則不要、銀行は各行の商品によって様々だが300万円を超えない場合は収入証明書が不要な商品が多数ある。

しかし、銀行系カードローンは収入証明書が不要な融資限度額が引き下げられる方向にあり、2016年までのように数百万円の借り入れを免許証だけで借りられることはなくなっていくと思われる。


過剰な広告宣伝

テレビCM

ここ数ヶ月は目にする機会が減りましたが、2016年末までは、銀行系カードローンのテレビCMを見ない日はないぐらい、非常に多くのCMが放映されていました。

消費者金融は貸金業法で広告の自主規制が定められており、その自主規制ではCMの本数や放映時間帯が厳しく制限されていました。一方の銀行はそのような規制がないため、非常にたくさんのCMが放映がなされていたのです。

参考:銀行カードローンCM、消費者金融の2倍 本数規制なく
http://www.asahi.com/articles/ASK5F5535K5FULFA00C.html

このような流れを受け、銀行はテレビCMの自主規制を強化する方向にあります。


サービス面の違い

銀行系カードローンは消費者金融と比較して、融資限度額や提出書類の面で有利な側面がありましたが、それも2017年の春以降はそれほど大きな違いではなくなりつつあります。

以下ではその他のサービス面での違いを確認していきますが、総じてサービス面については消費者金融の方が優れています。その理由は、消費者金融は法的な面で銀行よりも自由度が少なかったため、サービスを強化することで銀行カードローンと勝負をしていたという側面があるからです。

トップページの項目別比較ランキングでも各サービスの違いを比較していますので参考にしてください。


金利

同じ条件であれば、消費者金融よりも銀行系カードローンの方が低い金利になっています。この点についてのみ、銀行系のカードローンの方が優れています。確かに銀行の方が金利が低いのですが、注意しないといけない点があります。

銀行系カードローンの宣伝を見ると一番低い金利が1%を切っているところがあるのに対して、消費者金融はせいぜい3%からとなっています。最低金利が1%を切っている銀行のカードローンの極度額(商品の最大限度額)は1,200万なのに対して、消費者金融は限度額が大きいところでも800万円です。

最低金利 極度額
銀行系カードローン 1%を切る 1,200万円
消費者金融 3%台~ 800万円

審査の結果認められた利用者の最大限度額が大きくなるほど金利は低くなる仕組みのため、極度額が大きい銀行系カードローンの方が金利が低く見えるという側面があります。利用者の限度額が同じ場合はそれほど大きな違いにならないことがあります。


銀行カードローンと消費者金融の違い
その4

【金利】
金利面では銀行系カードローンがおすすめ。ただし、金利の低さは審査の厳しさに比例するため、少額の借り入れで審査が心配な場合は消費者金融の選択もあり。


審査

審査については一般的に銀行の方が厳しいと言えます。

一部の消費者金融は審査通過率を公開していますが銀行は審査通過率を公開していないため、審査について完全な比較はできません。しかしカードローンのサイトを長く運用している経験では、消費者金融より銀行の方が審査に通らない人が多いことは間違いありません。


銀行カードローンと消費者金融の違い
その5

【審査】
銀行は全般的に審査が厳しめ。初めての借り入れでも、大企業や公務員など安定した職業の方は、審査が通りやすいので銀行系カードローンがおすすめ。


融資や審査のスピード:即日融資は可能か?

今は大手の銀行は即日融資も可能になりつつありますが、融資のスピードは消費者金融の方が優れています。これは消費者金融はサービス面を強化することで銀行系カードローンに対抗してきたという背景が大きいようです。

また、カードを受け取る方法として消費者金融は全国に自動(無人)契約機をたくさん保有しており、審査通過後に自動契約機でカードを受け取ることですぐにキャッシングが可能となります。

一方、銀行で自動契約機を全国に展開しているのは三菱東京UFJ銀行、三井住友銀行、新生銀行のみです。自動契約機の営業時間という点でも消費者金融の方が遅い時間まで利用可能となっています。


銀行カードローンと消費者金融の違い
その6

【スピード】
消費者金融は大手であればいずれも審査や融資までのスピードが早く、自動契約機の数や営業時間の面でも有利。銀行カードローンは利用する銀行の預金口座が必要だと開設までに数日はかかるため、預金口座不要の三菱東京UFJ銀行か新生銀行がおすすめ。


無利息サービス

無利息サービスとは、一定の期間、一定の借入金額に対する利息がゼロ(利息がつかない)サービスです。少額・短期間であれば利息を支払うことなくお金を借りることができる人気のサービスです。

大手消費者金融のカードローンはモビットを除いた全てで無利息サービスがありますが、銀行については無利息サービスを実施しているのは極少数です。

一部の地方銀行については利息分をキャッシュバックするキャンペーンを実施しているので、その時を見計らって使うのも手ですが、カードローンの利用は急ぎのことが多いので、無利息期間の有無を重視するのであれば下記のカードローンが良いでしょう。


無利息サービスのあるカードローン

消費者金融

  • プロミス
  • アコム
  • アイフル
  • ノーローン

銀行

  • 新生銀行 カードローン レイク
  • ジャパンネット銀行

銀行カードローンと消費者金融の違い
その6

【無利息サービス】
大手の消費者金融の多くは無利息サービスがあるので消費者金融が有利。銀行では無利息期間も含め、消費者金融並みのサービス内容が豊富な新生銀行がおすすめ


返済面の違い ~ 銀行の預金口座との連動

通帳

銀行のカードローンはその銀行の預金口座を持っていないと契約・利用ができないことがほとんどです(バンクイックなど一部の例外はあります)。

一方、消費者金融の場合は借入金の振込先や返済時の自動引落用に銀行口座を登録しますが、どの銀行の口座でも指定可能です。

この違いが返済面における消費者金融と銀行カードローンの違いにも現れてくることがあります。


銀行カードローンの自動貸越(自動融資)サービス

自動貸越はメリットでもありますが、うっかりするとデメリットにもなります。


自動貸越(または自動融資)とは

キャッシュカードで現金を引き出した時や公共料金の自動振替が行われる際、普通預金口座の残高が足りない場合に自動的にカードローンから借り入れを行ってくれる機能

これなら、公共料金の引き落とし口座にうっかりお金を入れておくのを忘れてしまっても、電気やガスが止まることはありません。しかし自動的に契約しているカードローンで借金をしていることになってしまいます。

預金残高がゼロになるようなうっかりさんは、自動融資された借り入れ金の返済もうっかり忘れる可能性もありますので注意が必要です。

自動貸越(自動融資)はカードローンと預金口座の両方の状態を管理できるようことで可能になる、銀行ならではのサービスと言えるでしょう。

メリット

  • 自動引落し(公共料金など)時に口座にお金がなくても、カードローンで自動的に支払いできる。

デメリット

  • 知らないうちに借金 ⇒ 返済を忘れる恐れがある。

預金との相殺

自動貸越(自動融資)は預金口座の残高が不足している場合に適用される機能でした。

逆にカードローンでの借入残高が残っている状態なのに、毎月の利息と元本の返済が遅れた場合に実行される可能性があるのが「預金との相殺規定」です。

例えば三菱東京UFJ銀行のカードローン バンクイックのカードローンでは次の条文があります。

カードローン「バンクイック」ローン規定
第14条(銀行からの相殺)
1. この契約に基づく債務を履行しなければならない場合には、当行は貸越元利金等と預金その他の当行が借主に対して負担する債務とを、その債務の期限のいかんにかかわらず、いつでも相殺することができます。この場合、書面により通知するものとします。
https://www1.loan-alliance.com/btwebp/staticcontents/pc/html/pj/PJNM14.html

預金との相殺は『自動相殺』ではありません。自動貸越(自動融資)と違って知らないうちに預金が返済に充てられるということはなく、事前に通知がきます。

このような預金との相殺に関する条項があるのは銀行カードローンのみとなります。


更新日:2017/08/17

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